水道水で洗車するとできる水シミは何なのか?

水道水で洗車後、水の拭き取りを行わず自然乾燥させると、ボディやガラスに白い水シミができます。
この水シミは、主に水道水に含まれる5大鉱物質と呼ばれるものが原因です。


その原因について、詳しく説明していきます。
大学の講義のようになってしまいますが、ご興味ある方はぜひ最後までお付き合いください。

もくじ

・水道水に含まれる5大鉱物質とは?

 ・イントロ

 ・不純物の量を数値化すると?

 ・地域による差はあるの?

・5大鉱物質を除去するには?

 ・HYPER WATERの浄水方式

 ・HYPER WATERの能力を数値で証明すると?

 ・本当に5大鉱物質を除去できているの?

・ウォータースポット

 ・HYPER WATERの水質管理

水道水に含まれる

5大鉱物質とは?

この5つが水シミの原因

水道水は、地下・河川などの水が、浄水場や給水所を経て、各家庭へ供給されています。


その水は浄水場で浄化されるものの、5大鉱物質についてはほとんど除去されずに、水道水中に残留しています。水道水中に含有する不純物のほとんどは、この5大鉱物質です。

様々な大きさや形態で水中に存在!

これら5大鉱物質は、水道水中に様々な大きさ・形態で存在しています。
化学的に分類して示すと以下になります。

※電解、非電解状態の説明:鉱物質は水中では、その形態によって異なる性質を示します。

例えば、カルシウムは電解質であっても難溶解性のため一定割合イオン化せず、超微粒子以上の非電解状態で存在します。

非電解状態では電気を通さず伝導率計(TDSメーター)等に反応しないため、残留していても0(ゼロ)表示される場合があります。

不純物の量を

数値化すると?

水中の不純物量を見るには、一般的に2つの方法があります。

正確に見るには、それぞれの物質ごとに専用の分析器にかけてしっかり質量を測らなければなりません。その場合、測る物質や精度に応じて、分析機関による費用が発生します。

他に、非電解質の存在しない水や、精度をあまり必要としない場合、もしくは、浄水前後を計測して、浄水性能を推し量る場合などの簡易的な方法として、電気伝導度や、電気抵抗値があります。

質量を表す単位 = mg/ℓ ppm ※不純物量を正確に表す(TDS値)

通電量を表す単位 = 電気伝導度(µS/cm) 電気抵抗値(Ω)※電解質量を表す

ここで注意すべき点が一つあります!

水中不純物の含有量を示す指標としてTDS値が良く使われますが、TDS(Total Dissolved Solids)とは「総溶解固形分」を指し、本来、質量や濃度比を示す指標です。

しかし、電気伝導度計を用いて簡易的に電気伝導度をTDS値として見ることも多いため注意が必要です。

電気伝導度計(一般的にTDSメーターとも呼ばれている)では、水中の非電解質や非電解状態の物質を測ることができないため、

0(ゼロ)表示されていても、不純物含有量がゼロであるとは言えない場合があります。

 コラム:イオン交換樹脂型の純水器について

(今後公開予定)

地域による差はあるの?

水道水に含まれる鉱物質や不純物の量は、地域によって異なり、また、時期や気象条件などにより大きく変化します。
以下に、日本各地の電気伝導度※の値を示します。

電気伝導度を見ることによって、水道水中の不純物のおおよその含有量がわかります。

日本の水道水の場合、電気伝導度に0.5をかけるとおおよその不純物含有量となります。※

浄水場の原水となる河川水、ダム水、地下水などは、渇水時や降雨後に水質が大きく変化するため、

同じ地域においても、表記のように数値に変化が生じています。

※同じ不純物含有量であっても、含有する物質の割合によって電気伝導度が変わるため、日本の水道水において、物質ごとのおおよその含有率を想定した値が0.5となります。海外では0.6など異なる値を使用している場合があります。TDSメーターのppm表示は、この係数をかけた値が表示されています

5大鉱物質を

除去するには?

水道水中に様々な形態で存在し、地域、時期、環境によって変化する5大鉱物質を常時安定的に高いレベルで除去し続けることは、簡単ではありません。

HYPER WATERでは、4つの浄水方式を組み合わせることで、

高度な浄水を可能としています。

HYPER WATERの浄水方式

 コラム:各フィルターの詳しい役割について

(今後公開予定)

HYPER WATERの能力を

数値で証明すると?

左: 電気伝導度 0.06μS

右: 電気抵抗値 15MΩ

本当に5大鉱物質を

除去できているの?

電気伝導度や電気抵抗値は、厳密には水質計測の一指標でしかないため、5大鉱物質の含有量を第三者機関で検査しました。

その結果、測定装置の分析限界を下回る数値を記録しました。

HYPER WATER/水質エビデンス

(第三者機関での分析結果)

通常の1000倍の精度で分析。

分析下限値以下を確認!

HYPER WATERは、上記において、JIS K0557の最も厳しい基準値であるA4※をクリアしています。

※JIS K0557/A4は、一般的に幅広く超純水レベルの基準値として用いられています

上記はあくまでHYPER WATER装置のフィルター新品時、空気に触れる前の水の値です。

実際はこの超純水レベルのお水では、精製後に空気に触れると二酸化炭素や酸素等が溶解し、電気伝導度の値がすぐに1~3μS程度上昇します。

一方で、洗車用水としては二酸化炭素や酸素等の気体の溶け込みは問題にはなりません。
このことから、当社では、洗車に影響を与える5大鉱物質が含まれない“HYPER WATER”を超純水レベルの水としています。

ウォータースポット

さてここから本題ですが、ウォータースポットのできる水とできない水を

どう見ればよいのでしょうか。

※水道水や雨水の残留による水シミのことをイオンデポジットと呼ぶこともあるようです

当社では総じて「ウォータースポット」と表現しています。

電気伝導度で見る方法では、電解状態の物質しか測れないため、数値が0であっても非電解状態の物質が含まれる場合、ウォータースポットが発生してしまいます。

逆に、電気伝導度である程度の数値が表示されても、ごく微量の電解質(原子状態のイオン物質)や、酸素・二酸化炭素等の気体の場合、ウォータースポットは発生しません。

本来、分析機関で定量分析する方法が間違いありませんが、それでは相応の費用と期間がかかるため、現実的ではありません。

そこで、浄水方法による水の見方を表にしてみました。

※1 :RO(逆浸透膜浄水)において100~200mg/ℓ程度の水道水を90~98%の除去率で浄水した場合

※2:イオン交換樹脂のみを用いた純水器で、50~200mg/ℓ程度の水道水を浄水した場合。

※3:精度1単位のTDSメーターでは、1未満の数値は0と表示される

イオン交換樹脂のみを使用した純水器では、非電解状態の物質を除去できないため、それら少量の残留でもウォータースポットの原因となります。

RO水では、非電解質の徐能力は非常に高いが、ROの除去率は、通常90~98%程度のため、2~10%の残留電解物質によりウォータースポットの原因となります。

イオン交換とROを組み合わせることにより双方の弱点を補い、電解質、非電解質の両者に対し、有効な除去を果たすことが可能となります。

また、RO+イオン交換の浄水では、多少の電気伝導度(10~15μS程度)が認められても電気電導の高い極微量のイオン物質、及び、気体によるため、ウォータースポットの原因とはなりません。

そこで、“HYPER WATER”では、新品時の超純水レベルからフィルターの劣化による水質の変化を管理し、常にウォータースポットの発生しない水を維持しています。

HYPER WATERの水質管理の例

ハイパーウォーター保守管理(Pシリーズ)のイメージ

HYPER WATER水質管理

KPシリーズでは、各フィルターの水量、差圧、除去率等の多項目を常時遠隔にて監視し、

浄水の電気伝導度(機器外への送水前)10μS/cmを目途にフィルター交換等を行い維持管理しています。

HYPER WATER = SPOT FREE

ウォータースポットができない水